多重に鍵を設置した戸建て住宅の問題点と解決法

戸建て住宅で鍵を多く設置にして防犯対策をとると、後で考えさせられることがあります。
もちろん、空き巣を撃退する効果があります。
厳重することは、家財と財産を守れて良い事です。
しかし、同時に鍵師すら解錠できない事態になるのです。
窓ガラス全てに防犯フィルムが張られています。
更に、ガラス窓にはダイヤル式の補助鍵を設置し、たとえガラスが割られたとしても、直ぐには侵入できません。
見落としやすい、トイレや風通しを良くする小窓すら同様に厳重にします。
大事なのは玄関です。
玄関は補助鍵付きで、もちろんピッキングなど絶対不可能なほど完璧な鍵を取り付けています。
これなら、侵入者は侵入などできないし、直ぐに退散するでしょう。
しかし、こうなると鍵師もお手上げです。
どこか壊して家屋内に入る他はありません。
玄関ドアの鍵を壊すと補助鍵も壊す必要があります。
その費用は、依頼者側にあります。
ですが、問題は鍵を壊した後、もう一度鍵を設置する必要がある事です。
破壊する費用と再設置に要する費用が発生するのです。
壊す鍵が二つですから、設置する鍵も二つです。
だから、鍵師は依頼者に相談しますが、依頼者は「良いですよ」とはいえないものです。
防犯性を求めた鍵ですから、決して安くはないのです。
こうした場合、窓ガラスを割って入り玄関ドアの鍵を開けるのが常套手段です。
ところが防犯性を高めた住宅なので、その窓ガラスには防犯フィルムがあり、更に補助鍵が存在するのです。
鍵師がガラスを割ったとしても、次には補助鍵を壊さなければなりません。
ガラス窓の補助鍵はダイアル式で、一朝一夕には開けられないのです。
防犯すると、同時に鍵の管理能力も必要とされます。
住宅を厳重に防犯した家庭では、こうならないようにキーの必要のない鍵を設置することをお勧めします。
家族全員が忘れるということはないでしょうから。
それは嫌だと言うのなら、二階以上で人目につきやすい窓を鍵師に入り易くしておく手もあります。
二階は侵入経路に選ばれ難く、人目に付き易い所も避けられるからです。